まりぽの楽描帳

『意識×出会い×行動』で人はいくらでも変わり、成長できる。『幸せの形』は人それぞれ。日々の海外生活(今はベトナム・ハノイ)を好き気ままにアップ。

クアーカム療養所訪問

バクニン省にあるクアーカム療養所へ行って来た。

ハノイから車で約40km。
出発予定時刻の朝6時半。ハノイは大雨に見舞われた。バイクで行く予定のところ、急遽車を手配した。
Vietnam Work Camp(新しい団体)の代表になったルーが、知り合いの会社に電話を入れた。

結局遅れること約1時間、療養所へ出発した。

新しい団体としては初めての活動。参加者は12人。雨の中、急遽移動手段が変更になり、余分なエネルギーを使い、皆少しテンションが下がり気味でのスタート。そして車に慣れていない子は車酔い。ブルードリームズのティンも休日なので参加してくれた。

<クアーカムの基本情報>
回復者の人数:105人(大半が1人暮らし、10人強が家族と暮らす)
子供:22人(赤ちゃん:3人、幼稚園~小学生:13人、中学生:2人、高校生:4人)
収入:1人540,000ドン/月(約2100円)、その他個々でニワトリを飼っている
食事:基本的に自炊(料理ができない人はスタッフがケアしてくれる)
宗教:多くがカトリック(シスターがいて、療養所内の教会でミサも行われている)

<今回の訪問目的>
1. 村人と知り合うこと(新しい参加者に村人・療養所を知ってもらうこと)
2. ワークニーズの調査

<当日の流れ>
10時:到着、シスターと挨拶&会話
11時:エンターテイメント(カラオケやおみやげのプレゼントはベトナム恒例)
12時半:昼食、休憩
14時:ホームビジット(村人と交流)
16時半:ミーティング
17時:出発

今回の訪問は、ルーからスアンシスターに連絡をとってもらうことで実現した。
新しい団体として、クアーカム療養所を最初の訪問先に選んだ理由は単純で、スアンシスターが優しく、名の知られていない自分たちの団体を受け入れてくれたから。

療養所によっては、院長なり地元警察に却下されることもあり、その場合は訪問すらできない。 

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アーカム療養所

<エンターテイメント>
エンタメが得意なフォングという2月のキャンパーが仕切ってくれた。
村人に歌ってもらったり、自分たちが歌ったり、子どもたちとゲームをしたり。

一番盛り上がったのは、フォングが友だちと一緒に披露した劇。
ベトナムでは誰もが知るという昔からある喜劇らしい。

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見にくいけど、喜劇披露中。

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喜劇鑑賞中。

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エンタメを観賞している村人と学生のクオックアイン。

 

クオックアインは今回初めて療養所を訪問。
建築を専攻していて、ルーの後輩。
物静かであまり話をしないけれど、昼休みに1人で村人の家に行って、一緒にチェスをして遊んでいる姿が印象的だった。

後でクオックアインがメールをくれた。
「最近亡くなった自分のおじいちゃんのことを思い出した。昼休み中、86歳になるおばあちゃんとチェスをした。でも完敗。すげーと思った。」

<生活環境>
生活環境は、全体的に整っているように見えた。村人は、いくつかの部屋に仕切られている長屋に住んでいる。どこの療養所も似た感じの作り、雰囲気がある。
キッチンは部屋とは別に設けられ、一部屋根に穴があいていて不備のある建物もあるという。シャワーは真冬でもお湯を沸かして外で入っているという。

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比較的元気な村人が使っている、古いトイレ。
他のトイレはもう新しくなっているらしい。

 

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天井が剥がれかけて、雨漏りがするらしい。

それは大変!と思ったら、一緒にいたミンチュウがボソッと「私の家も雨漏りするよ」と一言。

<村人>

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部屋の中で、しかもベッドのすぐ隣でミツバチを飼っているフォンおじいちゃん。
怖い…。

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家族とは良好な関係で、頻繁に会っているというフォンおじいちゃん。
でも一緒に住むと周りの目が気になるから、自分がそうしたくないという。
写真はフォンおじいちゃんとミンチュウ。

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初めて療養所を訪問するクップ(左)、トゥアイン(中央)と村人

 

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男の子とお父さん。

Vietnam Work Campの活動目的は、物資の支援をすることではない。
でも今回は初めての訪問で、1日だけの滞在。
村人が喜ぶからと、皆で意見をだしあって、お土産を持って行くことにした。
インスタントヌードルとおかゆ、それにチェスを持って行った。

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一緒に行ったメンバー。
継続的に活動を一緒にしていきたいな。

<感想>
雨の日に療養所へ来ることを懸念していたティンが、帰りの車の中で話してくれた。
「前回雨天で訪問した療養所と今回とでは、院長・スタッフの反応が全く違った。あれは天気の関係ではなく、療養所のスタッフの違いだったんだとわかった。」

ティンはブルードリームズで働いているから、仕事でよく村人と話す機会がある。
でも今回、初めて触れた村人の一面があったことを話してくれた。それは「村人同士の仲があまりよくない」ということ。ティンとしては、同じ村人同士仲よく助け合って欲しいと思っていただけに、ショックのようだった。家族がいて多少余裕がある村人と、1人暮らしでカツカツの村人同士が口論する場に、ティンは居合わせたらしい。

中国で参加したキャンプでも、こういった話は聞いたことがあった。
ベトナムでも、キャンプをしているとそんな話も聞くけれど、村人を見ていると伝わってくる村人同士の微妙な距離感・人間関係がある。

ティンの反応は良く理解できた気がした。自分が初めて中国の村に行ったときに感じた、自分の中の「村人は仲良しでいてほしい」という勝手な理想と、「村人には村人同士の複雑な人間関係がある」という現実のギャップ。モヤモヤとした気持ちを少し思い出した。

自分たちだって、ご近所付き合いや友だち付き合いで問題を抱えたりする。
同じ人間なんだから、村人にも事情があるのは当然のことなのに、自分(たち)は村人に勝手な理想像を押し付けていることが多々あるのだと、改めて考えさせられた。

今回の訪問で、ルーとクオックアインがいくつかワークニーズを見つけた。
ワークをやるかどうか、やるならいつやるか、また今後話し合う。