まりぽの楽描帳

『意識×出会い×行動』で人はいくらでも変わり、成長できる。『幸せの形』は人それぞれ。日々の海外生活(今はベトナム・ハノイ)を好き気ままにアップ。

FUJI奨学金授与の旅②

今日は朝食を済ませた後、水上マーケットを見学。

しばらく、ゆっくり、川を進む。川の両側には、人が住んでいるらしき素朴な家がポツポツと並んでいた。川の左右で家の素材が多少違っているように感じた。気のせいか、左側のほうが少し新しいというか、頑丈な造りに見えた。

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(川の両サイド)

また途中、メコン川で大量に掻き集められた砂の山を運ぶ船やガソリンスタンドも遭遇。日本では見たことない光景。

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(砂の山、移動中)

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(水上ガソリンスタンド)

しばらくして、水上マーケットに到着。船がたくさん集まっていた。生まれて初めて見る光景は新鮮そのもの。常に陸の上で生活をしている私からすると、ここでの生活は不思議でならない。逆に、ここで暮らしている人からすると、私達の生活環境も不思議なのかな。

それぞれの船には空に向かって長い棒がさしてあり、てっぺんに品物が沢山引っ掛けてあった。どの船で何を売っているのか、遠くからでも見えるようになっているらしい。果物を山盛り積んだ船が近付いてきては、とりあえず試食をし、味や気分で買ったり買わなかったり。種や皮はポイポイと水の中へ放り込む。水上では果物以外にも、宝くじやフォーも売っていた。宝くじを売るおじさんは、以前までは船を購入するお金がなく、泳ぎ回って販売していたとか。面白いなぁ。

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(果物にフォーに宝くじ)

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 その後、FUJI教育基金が支援を開始してちょうど今年で20年を迎えるカントー大学(Can Tho University)へ向かった。

カントー大学の奨学生によると、現在6万人の学生が在籍しているといいう。奨学金の授与式には、現在社会人や院生となった過去の奨学生も出席していた。私たち日本人に笑顔で親しみを込めて接してきてくれた。こちらも笑顔につられてにっこり。

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カントー省のカントー大学)

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(FUJI教育基金奨学金授与式)

無事に授与式が終わり、学生食堂へ向かおうとバスに乗り込んだところで、一人の女子大生が紹介された。トゥー(Tu)さんという。 彼女はボー・ティ・サウ高校の元奨学生で、今この大学で3年目を迎え、電気(理系)の勉強に励んでいるという。感謝の気持ちを込めて、FUJI教育基金のために、電気を利用した置物を作ってくれた。「FUJI」という文字と富士山の絵が、スイッチ一つでピカピカと可愛いらしく光る。学んだ技術を活かして、こうして感謝の気持ちを行動で表すトゥーさんが素敵だと心から思った。

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(FUJI教育基金への手作りプレゼント)

その後偶然昼食でトゥーさんと隣り合わせになり、将来の夢を聞いてみた。

「私が今勉強している電気に関わる仕事は機材が重く、肉体労働が多いので、ほとんどは男性が担う仕事。でも私は小柄で、男性のようには働けない。だから、女性でも働けるような仕事のモデルを考えて作ることが私の夢。」
と話してくれた。夢があるって、とても素敵なことだと思った。

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(トゥーさん達と一緒に昼食)

昼食を終え、今度はロンスエン市(Long Xuyen)にあるアンザン大学(An Giang University)へ向かった。2年前にここを訪れたメンバーの方々は、その変化にだいぶ驚かれている様子だった。以前工事していた建物はほとんが完成し、まるで違う場所に来たかのようだという。

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アンザン省、ロンスエン市のアンザン大学)

アンザン大学は創立11年。
教師900人に生徒1万3,000人。
ベトナムの大学ランキングトップ10に名を留めているという。

FUJI教育基金のアンザン大学への奨学金授与は、2006年に開始したという。
奨学金を受け取る学生の選定方法は:
① 成績
② 家庭の収入
③ 担任と相談、大学が決定
の順だという。
アンザン大学にはFUJI教育基金意外からの奨学金もあるが、奨学金によっては①と②の順序が逆の場合もあるという。副学長の姿勢は、奨学金を提供してくれる相手の考えを尊重するというもの。
日本側からの「今後も奨学生を20人にするか、減らして一人当たりの金額を上げるか」という問いかけに対しても、FUJI教育基金に任せるとの回答だった。

奨学生を代表して、一人の学生がFUJI教育基金の皆さまへ感謝の気持ちを述べた。偶然近くに座っていて、スピーチが進むにつれ、彼女の瞳が徐々に潤んでいくのが見えた。
彼女の隣の席に座る女子学生もまた、目に涙を浮かべていた。
2人の女子学生の姿が、今も頭に焼き付いてる。
自分のことだけを考え、自分のためだけに今を生きている自分と、家族のために生きているスピーチをした彼女の違いは計り知れない。頭が上がらない気持ちだった。

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(アンザン大学の奨学生)

授与式の終盤、FUJI教育基金から可愛い消しゴムやお菓子が配られると、学生の緊張はようやくほどけたみたい。そして日本から来た日本人が珍しいのか、学生はFUJI教育基金の皆さまへサイン攻撃。
戸惑う私を横に、あるFUJIのメンバーがボソッと言ってくれた。

「(サインをもらうという行為は)外国人とコミュニケーションを取るための一つの手段として学生が学んだことなのかな」と。

夜は奨学生や先生方の他、アンザン省で日本のお米を栽培していらっしゃる江森さんと青年海外協力隊でこちらにいらしている木戸さんも交えての夕食。

世界にはいろんな人がいる。