ベトナムのハンセン病
ベトナムのハンセン病療養所を訪問するのは簡単じゃない。難しくないけれど、関係性ができるまではステップを踏まないといけない。
ドンレン村は基本的にブルードリームズから村長さんや地元の警察に連絡を取ってもらっている。それでOKとのこと。
これが療養所だと、正式にはまず療養所を管轄している国立皮膚性病病院に連絡を取り、そこから療養所を管轄する地元の病院、警察、そして療養所の院長に話しを通し、全てから許可を得た時点で訪問が可能となる。その際には訪問日程、訪問者リスト、スケジュール、活動内容などを伝えるが、訪問者の中に外国人がいる場合はチェックが厳しいところもあるらしい。
余談で、国立皮膚性病病院のスタッフは一番初めの下見の時にお世話になったものの、とにかくやる気がなく印象もよくなくお金だけ払うはめになったので、できれば通さないでやりたい。オランダ救らい協会ほど信頼性があると、基本どこでも行けるらしい。
一方で、ベトナムのハンセン病は、中国や日本とはまた少し状況が違う気がしている。家族は一緒に住んでいるし、子供達は普通に地元の学校へ通っている。差別や偏見が全くないわけではないし、過去には残虐なことが行われたと聞いてはいるけれど、今を見る限り、地域社会に中国よりは溶け込んでいる気がした。私の経験からだけでは、あてにならないけれど。
もしこの感覚が正しい場合、ベトナムは何がよかったのか。どうしてこの違いがベトナム、中国、日本で起こったのか。そんな分析も分析結果もベトナムにはないと、オランダ救らい協会のスタッフには言われた。ハンセン病の記録も、あるようでなくて、でもないようであるかもしれない。そんな状態。
ベトナム、わからないことだらけ。