まりぽの楽描帳

『意識×出会い×行動』で人はいくらでも変わり、成長できる。『幸せの形』は人それぞれ。日々の海外生活(今はベトナム・ハノイ)を好き気ままにアップ。

フービン療養所の下見

今日はタイグエン省にあるフービン療養所での調査に参加。ハノイから車で2、3時間。

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タイグエン省ハノイの北部)

フービン療養所は、お世話になっている早稲田大学ボランティアセンターの西尾先生が去年の2月に下見をしている。去年の夏はここでキャンプすることを想定していたが、5月に私が下見に来た際は、療養所へ向かう当日の朝になって学生が宿泊する場所はないと断られ、急遽バサオへ行った経緯がある。

療養所はどこも基本的には中心にミーティングホールや事務所が並ぶ。その近くの建物に一人または夫婦で生活をしている村人が住み、その更に周りや少し離れたところに元気な方が住んでいる。建物の作りは、バサオ療養所と同じような感じ。

この療養所は、だだっ広い敷地にポツポツと家がある。一面緑に囲まれ、大きな池がある。どこからどこまでが療養所なのか、いまいちわからない。村の奥へ奥へと進むと、広大な敷地の一角にポツポツとお墓が見える。

オランダ救らい協会のスタッフから聞いた話しを思い出した。

政府から毎月支給されるのは食費程度。療養所によっては本当に少なく、食事も足りない状況。食費を差し引いた残りは自由に使えるが、村人によってはその僅かに残ったお金をコツコツと貯め、お葬式の資金にあてるという。ベトナムでは亡くなった際に 賑やかにお葬式をしてほしいから、音楽の演奏をしてもらう為のお金を貯めているとか(泣き屋?)。

また村人の家族は大人になると市内へと出て行ってしまう人も少なくない。療養所にいてもつまらないし、稼げないから。置いて行かれる村人(回復者)は複雑だと思う。

ふらふらと療養所を散歩していたら、ブルードリームズのメンバーが来てくれた。

暗い部屋で一人ポツリと地べたに座るおじいちゃん。手に一冊のノートを持っていた。
昔の彼女に詩を書いているという。ハンセン病が理由で別れたのかと思ったけど、聞いてみると戦争が原因。身体に爆弾を受け、指もなくなってしまった。それが理由で結婚を諦めた。料理は自分で作っている。フービンに来て16年になるという。

どんな想いで今も尚、当時の彼女に詩を書いているんだろう。

ベトナム人は詩を書くのが好きなのかな。どの療養所でも書いている人が多々いて、キャンパーにも時々作ってくれる。ロマンチック。

隣の部屋を覗くと、ベッドの上でぼーっと座っているチューおじいちゃんが見えた。昔日本軍に侵略された際に覚えた数字の1から10を、日本語で誇らし気に言ってみせてくれた。複雑で何と返してよいのかわからなかった。

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(ブルードリームズのメンバーと共に)